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【Blender】モデルの変形やカメラ設定を操作するプロパティシェルフ(Sidebar)

Blenderのモデルの基本的な変形やカメラの設定、及びアドオンのプロパティがタブ形式で集められるエリアになります。

起動時は、Item、Tool、View の3つがあり、アドオンを追加することで適宜プロパティタブが追加されます。

ここでは、この起動時の時点で表示される3つのプロパティに絞って紹介します。

どうか、あなたのBlenderライフのお役に立ちますように――


プロパティシェルフの表示

画像はアドオンを追加しているため、タブがたくさんありますが、デフォルトだと上の方にある「Item」「Tool」「View」の3つだけ表示されます。

必要に応じてアドオンを追加することで、適宜、プロパティのタブがこのSidebarに追加されることになります。

Nキーで表示/非表示の切り替えができます。

基本のプロパティ

Item

Transform

変形に関する以下の4つのプロパティがあります。

『Location』『Rotation』『Scale』『Dimensions』

Location

位置のプロパティ

オブジェクトを直接動かすと、数値が変化します。

また、直接、数値を入力することもできます。

Rotation

回転のプロパティ

オブジェクトを直接動かすと、数値が変化します。

また、直接、数値を入力することもできます。

Scale

スケール(比率)のプロパティ

オブジェクトを直接拡大縮小すると、数値が変化します。

また、直接、数値を入力することもできます。

Dimensions

体積のプロパティ。Scaleが比率なのに対して、絶対的な体積の値になります。

直接、数値を入力することで調整できます。

ScaleとDimensionsの違い

Sizeで変形させるとSizeの数値が変わるが、ポリゴン面の移動で同じような大きさに形を合わせてもSizeの数値は変わりません。

ですが、Dimensionsはスケールでもポリゴンの変形でも、そのオブジェクトの体積としての値が反映されます。

Tool

現在使用中のツールのプロパティが表示され、ツールごとにマニピュレータの設定などができます。

画像はMoveツールの設定になります。※ツールによって設定要素が変わります。

参考までに、比較的使用頻度が高いと思われるOrientationについてを以下に記していきます。

Default

ヘッダーエリアの座標系で設定されたものが反映されます。

Global

マニピュレータの方向をワールド空間(ビューポートの右上隅のナビゲーションギズモの軸方向)と合わせます。

Local

マニピュレータをアクティブなオブジェクトの方向に合わせます。

Normal

ObjectModeでは、Localと同じ挙動になります。

EditModeでは、選択したエレメント(要素)の法線方向の平均がZ軸になるようにマニピュレータの方向を設定します。

Gimbal

回転軸の方向を決めて、その軸の回転角度を指定する回転方法。

Itemタブ > Transform > Rotation のプルダウンメニューで、回転モードをEuler(オイラー角)、Axis Angle(軸の角度)、Quaternion(クォータニオン)の3つから選べます。

Euler

Eulerは、X、Y、Z の3軸まわりの回転の組み合わせで調整する他の座標系でも馴染みのある制御ではあるが、他の座標系と違うのはマニピュレータのうち1つの軸が常にグローバルの方向を指すのを保ち、他の2つの軸が互いに直角を保つ点です。

常にグローバルの方向を指す固定軸は、XYZ表記の最後の記された軸になります。

例えば、XYZ Euler であれば、最後のZ軸がグローバルZ方向に固定されてX軸とY軸が互いに直角を保つ挙動になり、XZY Eular であれば、最後のY軸がグローバルY方向に固定されてX軸とZ軸が互いに直角を保つ挙動になります。

XYZ Euler

Z軸(青)が固定され、X軸(赤)とY軸(緑)が直角に保たれる。

XZY Euler

Y軸(緑)が固定され、X軸(赤)とZ軸(青)が直角に保たれる。

Axis Angle

Axis Angleは、X、Y、Zの値でオブジェクトの原点と相対的な座標を指定して、原点に仮想的な回転軸(串を通すイメージ)を設定します。

Wの値はこの仮想回転軸のZ軸の回転値であり、マニピュレータの軸はこの仮想回転軸に沿うかたちになります。

Quaternion

Quaternion はジンバルロックを避けるのに有効ですが、マニピュレータはLocalのように動作するものの、数値制御においては計算が複雑で他の回転モードでのような直感的なものとはとは非常に異なります。

Wの値は Axis Angle のようなZ軸の回転値ではなく、クォータニオンの計算をもとにした、X、Y、Zの値で指定した方向とWの回転量で制御されます。

View

マニピュレータをビューに固定します。

X: 上/下 回転(横軸・赤)

Y: 左/右 回転(縦軸・緑)

Z: 正面回転(画面方向軸・青)

Cursor

マニピュレータの回転軸を3D Cursorの回転軸に合わせます。

View

Focal Length

焦点距離になります。

画角を決めるものですが、カメラ(レンズ)の知識があれば感覚に頼らずに意図した画が狙えます。

ざっくり大まかにいうと・・・

数値が大きい=平面的に見える

数値が小さい=歪みが強い

となります。

ちなみに、モデリングの際は80~120㎜前後くらいで作業をすると、歪みがなく結果の見た目に不具合が起きにくいです。

Clip Start / End

カメラから奥行きに対する見える範囲を設定します。

カメラ側から見え始める距離(Start)から見える限界の距離(End)で設定。

この範囲はクリップされて、範囲外のものはカメラヴューから見えなくなります。

Start

数値が増えるほど、カメラから見え始める距離が先になる(手前から被写体が除外されていく)。

End

数値が減るほど、カメラに収まる奥行の距離が縮まる(奥から手前に被写体が除外されていく)。

以上が、プロパティシェルフにデフォルトである3つのタブの基本的な内容です。

他のモードでのツール群や詳細は、Blenderの公式ドキュメントのこちらのページもご確認ください。


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