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【Blender】Workspaceの操作とカスタマイズと注意点

BlenderのWorkspace(作業画面のレイアウト設定)の紹介。

モデリングやアニメーション、テクスチャリングなど、各作業に特化したワークスペースへの切り替え、操作、並び替え、注意点などを画像を交えて記事にしました。

どうか、あなたのBlenderライフのお役に立ちますように――


Workspaceとは

あらためてワークスペースとは、定義されたウィンドウのレイアウトのことです。

作業内容にあわせて、最適なワークスペースに切り替えて使うことができます。

また、ワークスペースは自分で新たに定義することも可能です。

Workspaceの切り替えタブ

ワークスペースはトップバーに並ぶタブから選択できます。

デフォルトでは以下の10種類が登録されたワークスペースとして表示されています。

blender_Workspace

Layout

初期で選択されている、最も一般的なワークスペース
タイムラインが表示されていているので、モデリングだけではなくアニメーションの再生もできます。

Modeling

タイムラインのないシンプルでモデリングに特化したワークスペース

切り替えるとデフォルトで、Edit Mode になるので、そのままモデル編集に入れる。

ただし、モデルではなく、ライトやカメラなどが選択されていると、Object Mode のままだったりするので注意。

Sculpting

3Dソフトを触ろうとする人には言わずもがなかとは思いますが、粘土や彫刻のようにモデリングするスカルプティングに特化したワークスペース

UV Editing

テクスチャーマッピングに特化したワークスペース

Texture Paint

テクスチャーに色や描き込みをするのに特化したワークスペース

3DViewport上で直接モデルに描きこむような操作もできます。

Shading

シェーダーを組んだりして、質感設定をするのに特化したワークスペース

Animation

名前のとおり、アニメーション作成に特化したワークスペース

Rendering

レンダリング結果の表示と分析などに特化したワークスペース

Compositing

レンダリングしたものや画像の合成、エフェクトの設定などをするためのワークスペース

Scripting

スクリプトの記述、編集のためのワークスペース

Workspaceの操作

既存で備わっているワークスペースのほか、新規で追加したり、既存のものをカスタマイズしたり、複製(Duplicate Current)してカスタマイズしたり、と色々な方法でワークスペースをカスタマイズできます。

新規でWorkspaceを追加

ワークスペースタブの一番右の「+」を押すことでワークスペースを追加できます。

例として「2D Animation」を追加してみます。

+ > 2D Animation > 2D Animation

を選択。

2D Animation タブが追加されて、2D Animation 作業用のレイアウトになります。

Workspaceの複製

今度は、追加した「2D Animation」を複製してみます。

「2D Animation」を選択した状態で

+ > Duplicate Current

または

「2D Animation」タブにカーソルを合わせて

RMB > Duplicate

です。

どちらの方法でも「2D Animation.001」という複製されたワークスペースのタブができると思います。

タブの表示名の変更

複製された「2D Animation.001」を命名変更します。

ただ単純にタブをダブルクリックするだけで、変更可能になるので新しい名前をつけられるようになります。

ここでは例として「Duplicate+Rename」としておきます。

Workspaceのレイアウトのカスタマイズ

境界の幅の変更

Viewportなど幅を変えたいエディタの境界にカーソルを合わせると、「⇔」のような左右または上下のドラッグカーソルに変化するので

LMBドラッグで左右、上下に幅を変更できます。

エデイタの追加と削除

また、エディタの追加や削除もできます。

追加

新しく追加して割り込ませたい場所にある既存のエデイタの角にカーソルを合わせると、「+」のような十字マークが出てきます。

それをそのまま追加したい方向へLMBでドラッグすると既存のエデイタが複製されるかたちで追加されます。

削除

削除の場合は、消したいエディタに隣接する残したいエデイタの方の角にカーソルを合わせ、追加時と同じように「+」マークを出してから消したいエデイタの方向へLMBでドラッグする。

すると、例えば消したいエデイタが右側なら「>」というような方向を示すマークが出てくるので、そのマークが出てきたところでマウスボタンを話すと、その方向にあるエデイタが消えて、残った側のエデイタの幅がその分拡張されます。

タブの並び替え

ワークスペースのタブは並び替えができます。

ただ、先頭か末尾にしか移動できないので、若干不便さは感じますが・・・

移動の仕方は、移動したいタブの上で

RMBクリック > Reorder to Front :先頭へ

or

RMBクリック > Reorder to Back:末尾へ

です。

Workspaceに施したカスタマイズはドキュメント単位でセーブされる

ワークスペースのカスタマイズについての注意点として、その結果の状態はドキュメントごと(.blendファイルごと)にしかセーブされないことです。

つまり、一旦、ワークスペースをカスタマイズしても、File > New > General などで新たなドキュメント(シーン)を作ると、デフォルトのスタートアップとして登録されているワークスペースになってしまいます。

なので、カスタマイズしたワークスペースを新規のドキュメントでも常に使いたい場合は、デフォルトのスタートアップファイルに設定してやる必要があります。

カスタマイズした作業環境をデフォルトとしてセーブする方法

では、カスタマイズしたワークスペースを常に新規ドキュメントで使うためにデフォルトとしてセーブする方法ですが

File > Defaults > Save Startup File

で設定します。

Save Startup File の注意点

ただし注意点として、スタートアップファイルとして設定されるのが、ワークスペースだけではなく「作業環境をまるごと」ということです。

どういうことかというと、3D空間内にあるオブジェクトやライト、カメラなども含めて、「そのドキュメント(シーン)の状態がまるごとデフォルト(スタートアップファイル)になる」ということです。

Blender をインストール後、特にスタートアップファイルを設定していなければ、新しいドキュメントを開いた時にグローバル空間の中心にキューブモデルがあり、その周囲にカメラやライトが配置されているかと思います。

これはBlender がその状態をデフォルトとしてスタートアップファイルに設定されているからです。

なので、例えばもし背景モデルを作りながら自分の使いやすいワークスペースを構築し、そのワークスペースをスタートアップファイルにした場合、その中には背景モデルも含まれることになります。

そして、その後新規ドキュメントを作成した際には、カスタマイズしたワークスペースと共にその背景モデルも現れるということです。

背景モデルがある状態で、Save Startup File を設定すると・・・
File> New > General で新規ドキュメントを作成したときに・・・
(画像は分かりやすくするため、何もない状態のシーンにしています)
Save Startup File で設定した時のシーンも再現されます

こういった場合は、その背景モデルを削除して(必要であれば、背景モデルのあるシーンは通常の.blenderファイルとしてセーブをしてから)デフォルトのドキュメントとして使いたいシーンの状態にして、スタートアップファイルに登録するのがよいでしょう。

そして、すでに気づいたかもしれませんが「新規ドキュメントを開くたびに、中央のキューブ、カメラやライトなどを消してから作業すのが面倒」というような場合は、それらを消した状態でスタートアップファイルとしてセーブすれば、そのわずらわしさを解消することができます。

Blenderは無料にもかかわらず、Mayaなどの有料ソフトにまったく劣らないといっていいほどの機能を備えたソフトウェアです。

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